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【データコラム】トータルディフェンス

コラム

2020.01.03

こんにちは、Vリーグ公認アナリストの宮脇です。新年明けましておめでとうございます。

今回のコラムは「トータルディフェンス」について解説していきたいと思います。12月はオフェンスの話が中心でしたが、今月は主にディフェンスについて取り上げていきますので、お楽しみに!

 

今回のキーとなる数字は「6」です。


ブロック戦術とフロアディフェンスの連携=トータルディフェンス


トータルディフェンスとは、ブロック戦術とフロアディフェンス(レシーバーの配置)を連携させて相手のアタック決定を防ごうという考え方です。

バレーボールは9m×9mの自コートを6人で守らなければいけません。ブロック戦術とフロアディフェンスがバラバラではコートに穴ができてしまい、簡単に攻撃を決められてしまいます。すべてのアタックコースに対応した万能のディフェンスシステムは存在しません。相手アタッカーの特徴に合わせて最適なディフェンスを選択します。ストレートが得意な選手に対してはブロックでストレートを抑えて、ブロックに当たったボールや、ブロックをかわして打ってきたボールをレシーブします。



ブロックはスパイカーの得意コースを塞ぐ


ブロックの前提として、相手アタッカーの一番得意なコース、一番強く打てるコースを防ぎます。なぜなら一番得意なコースをブロックで防がないと、威力のあるボールをレシーブしなければならずレシーブ成功する可能性が低くなってしまうからです。

例えば、レフトからゾーン6(コート後方中央)に打つのが得意な選手の場合、まずそのコースに強打を直接打たれないようにブロックを跳びます。そこからブロックで防ぐコースの横にレシーバーが位置取ります。トータルディフェンスの考え方では、ブロックで防ぐコースに2重でレシーバーを配置しないようにします。ただ多くの場合、ブロックの間を抜けてくるボールやワンタッチボールを見越してバックミドル(後衛センター)の選手はレシーブ位置に入ることが多いです。

レシーバーはブロックで相手アタッカーが隠れて見えなくならないよう、ブロックの横からアタッカーが見える位置にポジショニングするようにします。6人でコートを守れるように守備配置をするのがトータルディフェンスです。解説ではよく『ディフェンスシステム』などの言葉が聞かれますがブロックとレシーブの連携が機能していることを指します。




東レ・石川選手のクロススパイクに対するJTのブロック(12/28 JTvs東レ)

バックミドルのレシーブ(12/15 ジェイテクトvs堺)



派手じゃないプレーこそがファインプレー


トータルディフェンスでは、特に後衛で守るレシーバーが前衛のブロックがどのコースを防ぐかわかっていないといけません。ラリーが始まる前にブロッカーが手を後ろに回して指を立ててサインを出していますが、あれは後ろのレシーバーに対して「ストレートを止めるよ」「クロスを止めるよ」などの合図を送っています。レシーバーはブロッカーの意図を頭に入れておくことで、相手チームのトスが上がった時に自身がどこにポジショニングすれば良いかを予め考えておくことができます。

選手が派手にフライングレシーブをしたり、体を投げ出してレシーブしたりするようなプレーも素晴らしいのですが、ブロックとレシーブの連携がうまくいき、選手が動かなくてもレシーブできる状況を作ることもチームとしてはファインプレーです。

東レ・水杉選手のコースに入ったレシーブ(12/28 JTvs東レ)



サーブから始まるトータルディフェンス


ディフェンスはサーブを打つところから始まっています。サーブの目的はポイントを取ること、相手のレシーブを崩すことがあります。相手にAパス(セッタへの完璧な返球)を許してしまうと、どうしても攻撃側の数的優位によってブロックが分断されてしまいます。ブロックが不完全で隙間のできた状態では6人では守りきれないスペースにスパイクを打ち込まれるケースが増えます。サーブによって相手のサーブレシーブを崩すことで、攻撃できる場所を限定し、しっかりとブロックを揃え、それに合わせてフロアディフェンスもブロックコース脇のスペースを埋めることができます。

サーブはルール上審判のホイッスルから8秒以内に打たなければいけませんが、以前調べたデータでは平均すると約6秒でした。ディフェンスを機能させるために8秒をうまく使って相手が慌てているときは早めにサーブを打ったり、逆に自チームを落ち着かせて時間いっぱい使うなどの工夫が必要です。

堺ブレイザーズとFC東京のラリー(12/22)


今回はトータルディフェンスについて解説しましたが、あくまでも基本的な考え方の話で、Vリーグを観戦していても完全にこのパターンで守備配置していないケースもあります。それは、相手のアタッカーには様々な特徴があることや、相手との駆け引きによるものです。

現場ではよく「ハマる」という表現を使います。対策していた守備隊形によって相手アタッカーの決定を防ぎディフェンスがハマるという意味合いです。Vリーグを観る際には、各チームが相手アタッカーをどのようにハメようとしているかにも注目してみてください!

 

次回は、トータルディフェンスの要素のひとつである「ブロックシステム」について、「リードとコミット」、「バンチとスプレッド」、「スイッチ」などを取り上げて解説します。トスが上がる前の狙いやトスが上がった後の僅かな間にブロッカーが何を考え判断しているのか、年明け初戦の今週末の試合で見ておいて下さい。



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<Vリーグ公認アナリスト>

宮脇 裕史(Hiroshi Miyawaki)

2007-2014 JTマーヴェラス コーチ兼アナリスト

2014-2016 バレーボール・女子日本代表 サポートアナリスト

2017-    バレーボール女子アンダーエイジカテゴリー日本代表・アナリスト

      (公益財団法人日本バレーボール協会)

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