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V LEAGUE

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【データコラム】ブロックシステム

コラム

2020.01.09

皆さん、こんにちは。Vリーグ公認アナリストの宮脇です。

前回はブロック戦術とフロアディフェンスの連携である「トータルディフェンス」について解説しましたが、今回はその要素のひとつ「ブロックシステム」について解説していきたいと思います。

 

ブロックシステムと聞くと難しいように聞こえてしまうかもしれませんが、わかりやすく分解して紹介していきたいと思います。ブロックシステムをザックリ分解すると「マークの仕方」「立ち位置」「ジャンプするタイミング」で分類することができます。

 

今回キーとなる数字は「8」です



 主流はゾーンで守るブロック

 

最初にブロックのマークの仕方では「マンツーマンブロック」と「ゾーンブロック」に分けることができます。マンツーマンブロックとは、ラリーが始まる時に目の前にいるアタッカーをマークし追いかけるブロックです。誰が誰をマークするかが明確になるメリットはありますが、選手同士が交錯するような時間差攻撃に対しては対応が難しくなります。

マンツーマンブロックで時間差攻撃に対応するためには、サイドブロッカーがミドルブロッカーを追い越してブロックできるようにスタックと呼ばれる配置をとります。通常、ブロックに構える際は横一列になっているケースが多いですが、スタックは、横一列ではなく、前後に少しズレた状態で構えます。

Vリーグではマンツーマンブロックはほとんど見られず、現在はブロッカー3名で守るゾーンを分担するブロックが主流となっています。ブロッカーがそれぞれの持ち場で、そこで仕掛けられた攻撃に対してブロックを跳びに行くシステムです。




FC東京によるゾーンブロック(1/5 対東レ戦)




 立ち位置で分類するブロックシステム


次に、立ち位置を示す用語としては、「バンチ」や「スプレッド」という用語があります。「バンチ」とは束という意味で、前衛ブロッカーの3人がコート中央付近に近づいて構えるブロックシステムです。一方でスプレッドとは、広がるという意味で、サイドブロッカーの二人がアンテナ付近まで広がって構えるブロックシステムです。スプレッドブロックは、相手のサイドアタッカーのストレート攻撃がどうしても防ぎきれない場合に使われることが多いです。

それ以外では「デディケート」がよく使われます。デディケートとは専念するという意味がありますが、バレーボールの試合の中では、相手の攻撃できる前衛選手が二人しかいない状況のとき、サイドブロッカーの片方が中央まで移動して構える隊形のことを指します。




NECのスプレッドブロック(1/5 対久光製薬戦)



 ジャンプするタイミングで分類するブロックシステム


ジャンプするタイミングを示す用語としては、「リード」や「コミット」があります。リードブロックとは、セッターのトスを見て、上げる場所を判断してからジャンプするブロックです。反対にコミットブロックは、トスが上がる前に相手アタッカーとほぼ同時にジャンプするブロックです。Vリーグのほとんどのチームはリードブロックです。相手セッターがトスを上げるのを確認してからジャンプしています。

コミットブロックは確実にその選手にトスが上がるかは分からないけど“ヤマを張って”いると解釈されることもありますが、Vリーグなどのトップレベルでは多くの情報をもとに“根拠のある”コミットブロックを仕掛けているケースが多いです。基本的にはリードブロックで対応するのが主流ですが、情報をもとに確率の高い局面ではコミットブロックを使います。

WD名古屋・近選手のリードブロック(10/27 対FC東京戦)

JT広島・安永選手のコミットブロック(11/17 対VC長野戦)




 バンチリードブロックは8m幅を守る


一番よく聞くブロックシステムとしては、「バンチリードブロック」ではないでしょうか。先ほど紹介したバンチの立ち位置で、トスが上がってからジャンプをするリードブロックを組み合わせたブロックシステムです。おそらくVリーグや国際レベルにおいては最もポピュラーなシステムです。バンチリードブロックは単に中央からすべての攻撃に対して完璧なブロックをするというものではありません。バンチリードブロックは、両サイドのアンテナから50cmにはブロックを付けない(付かない)ことを前提に、残りの8m幅を3人で守るという考え方です。

当然、バンチリードブロックに対して相手がサイド攻撃を仕掛けてきた場合、ストレートコースが空くことになります。ただ、このコースはブロックに当たらずボールがぬけて来ることが想定済みのため、レシーバーを配置し対応しています。前回のトータルディフェンスのコラムを呼んでいただくと、ブロックとレシーバーの関係性について理解が深まると思います。






今回はブロックシステムについて、「マークの仕方」、「立ち位置」と「ジャンプのタイミング」に分けて解説しました。実際の試合では、これらを組み合わせてブロックシステムは成り立っています。さらに一つのシステムだけで戦うのではなく、その時の状況や試合の流れによって複数のブロックシステムを使い分けています。Vリーグを観戦する際には、アタッカーの攻撃を止めるシャットアウトだけでなく、ブロックシステムにも注目してみてください!さらに、そのブロックシステムに対してどのような攻撃が効果的かまで想像できると観戦の幅が広がると思います!

 

次回は、今週末から来週にかけてV1女子のV・ファイナルステージが開催されますので、シーズン開幕前に行ったチーム技術統計データによる分析を、2019-20シーズンのV・レギュラーラウンドで行ってみたいと思います。昨シーズンと比較し、各チームにどのような変化があったのか、開幕前のコラムをぜひ振り返ってみて下さい。

また、今週末のファイナル8・チャレンジ4にもぜひご注目下さい!




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<LineUp>

2019-20シーズンの大会方式をおさらい
【データコラム】チーム技術統計データで昨シーズンを振り返るーV1女子編ー
【コラム】知っておきたいルール解説(タイムアウト・選手交代・チャレンジ)
【データコラム】チーム技術統計データで昨シーズンを振り返るーV1男子編ー
【コラム】解説!公式帳票から分かること(A帳票・B帳票)
【データコラム】「サイドアウト」と「ブレイク」
【データコラム】ローテーション
【データコラム】サイドアウト戦略

【データコラム】ブレイク戦略

【データコラム】攻撃の"組み立て"とは
【データコラム】スロットとテンポ
【データコラム】トランジションアタック
【データコラム】トータルディフェンス

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<Vリーグ公認アナリスト>

宮脇 裕史(Hiroshi Miyawaki)

2007-2014 JTマーヴェラス コーチ兼アナリスト

2014-2016 バレーボール・女子日本代表 サポートアナリスト

2017-    バレーボール女子アンダーエイジカテゴリー日本代表・アナリスト

      (公益財団法人日本バレーボール協会)

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